マリィ
「ふー、やっぱりこんな朝からは面白いテレビなんて
やってないわね」

アヤ
「そだね。ワイドショーばっかだし」

マリィ
「なんか面白いバラエティ番組でもあればいいんだけど、こんな
時間にテレビに出てるタレントってスキャンダル起こした人か、
犯罪犯した人だものね」

アヤ
「あ、マリィ。タレントで思い出したんだけど、この前ものまね師
のバンブー?さんに会ったじゃない」

マリィ
「うん」

アヤ
「あの時、私こっそり彼の素顔を見せてもらったんだけど」

マリィ
「へぇ。それでどうだった?ひょっとしてあれより更に凄い顔
だったとか?」

アヤ
「ううん、その逆。すごく二枚目でかっこよかたんだ。しかも
まだ10代なんだって。ものまね師にしとくなんてもったいない、
って思っちゃったくらいだよ」

マリィ
「へえぇ、あの人が。意外ね」

アヤ
「うん。だってあの外見からは想像できないよ。あんな美形
だなんて」

『・・番組の途中ですが臨時ニュースを申し上げます』

マリィ
「あれ?何かしら」

『今朝未明、ジャングル芸能プロダクションに所属する
人気ものまねタレントのAくん、18歳がプロダクション近くの
路地裏で血まみれになって倒れている所を通りかかった人に発見
されました』

アヤ
「え!?」

『Aくんはすぐ近くの病院に運ばれ、医師の話しによると全身打撲
による全治一ヶ月の重傷との事です』

アヤ
「マ、マリィ。これって・・」

マリィ
「う、うん・・」

『病院に運ばれるまでのAくんの証言によりますと彼は今朝、
プロダクションに出社途中、路地裏に入った所で突然、一人の男に
襲われたとの事です。男は黄色の髪の毛にサングラス、手には
楽器のキーボードを持っており、Aくんに会うなり突然、
「素顔が美形のお前なんかに俺の気持ちが分かってたまるか」と
叫び、泣きながら何度もキーボードを降り下ろしてきたとの事です。
この証言から警察ではAくんに恨みのある者の犯行と見ており、
現在この男の行方を追っています』

アヤ
「マ、マリィ・・」

マリィ
「悲劇だわ・・。人間の醜い嫉妬の感情が生んだ悲しい事件よ・・」

ガチャ

ジュディ
「マリィ、アヤ、おはよ〜。・・・・あれ?どうしたの?二人とも
ニュース見ながら涙流して」

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