スーツ
「ふー、ごちそうさん。やはり昼飯は天丼に限るな。まあ出前だから味はイマイチだったけどな」

ペッパー
「その割には全部平らげたな。さっきカツ丼も食ったくせに」

スーツ
「それはそうと、あんたの昼飯。ハチミツラーメンだったか?そりゃうまいのか?」

ペッパー
「別に不味くてもお前には関係ないだろ。無理にこのラーメンの味を知ってもらおうとも思わんよ」

スーツ
「あ!何だあれは!?」

ペッパー
「ど、どうした?」

スーツ
「ほら、あれ!窓から見えるあれだよ!」

ペッパー
「なんだ?どこもおかしいところはないぞ?」

ズルズルズル・・・

ペッパー
「あっ!」

スーツ
「んー、やっぱり不味いな、このラーメン」

ペッパー
「だったら食うな!しかも全部!」

スーツ
「俺は気になることがあれば調べないと気がすまないんだ。ふふっ、これも刑事の性ってやつか?」

ペッパー
「・・・・」

ジリリリリリン!

ニャミ
「はい。こちら捜査一課。・・え!?はい・・はい・・・、分かりました。すぐに出動します!」

ペッパー
「どうした?」

ニャミ
「事件よ!悪の組織のボス、ワルドックがこの近くで銀行強盗をして人質を一人とって
立てこもっているそうよ!」

ペッパー
「ワルドックってあの海賊みたいな奴か?あいつは神風トオルや神宮ヒロシが相手を
しているんじゃなかったのか?」

ニャミ
「それが、トオルさんは今さっちんさんとギャンブラーZに乗って沖縄旅行に行っているみたいなの」

ペッパー
「神宮ヒロシは?」

ニャミ
「修行の旅に出ていて留守ですって」

ペッパー
「そ、そうか。じゃあ出動だ!スーツ!お前の活躍を見せてもらうぞ」

スーツ
「ふふふ。ようやく燃える仕事ができそうだな。よし、行くぜ!」

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ニャミ
「着いたわ。ここが現場よ」

スーツ
「なんだ。既に警官がいっぱい取り囲んでいるじゃないか」

ペッパー
「油断するな。犯人は人質をとっているんだ」

ニャミ
「あ、ミミ刑事。あなたも駆けつけていたのね。どう?現場の様子は」

ミミ
「現在も犯人は女の子を人質にとって立てこもっています。先ほどから
逃走用の車と食料を要求しています」

ワルドック
「ガハハハ!!悪の組織も活動するには資金が必要なのだ!さあ、早く車を
用意しろ!さもなくばこの小娘の命、保証せぬぞ!!」

めぐみ
「キャー!助けてー!」

ペッパー
「ちっ、か弱い少女を盾にするとは卑劣な奴め・・・。人質になっているのは
その女の子だけなんだな?」

ミミ
「はい。銀行員や他の客は解放されています。こちらは事件発生当時
客として店内にいたハヤタさんです」

ニャミ
「ハヤタさん、その時の様子を教えてくれない?」

ハヤタ
「突然強盗が近くにいた女の子をつかまえて”金を出せ”と言って銃を
乱射したんですよ。銀行の人がドル袋を用意すると女の子を除いて僕たちは
解放されました」

ペッパー
「犯人の事について何かわかるか?」

ハヤタ
「あいつ、腕がそのままマシンガンになっているんですよ。弾はいくらでも
あるから妙な真似をしたらすぐに撃つと言ってました」

ペッパー
「そうか。よし、俺が説得に応じる。スピーカーを貸してくれ。・・あー!あー!犯人に告ぐ!
お前は完全に包囲されている!武器を捨てて大人しく投降しろ!」

ワルドック
「うるさい!人質がどうなってもいいのか!妙な真似をおこしたら即刻ハチの巣に
するぞ!」

ペッパー
「くそっ・・。本当にいつでも撃ってきそうだな」

ワルドック
「ぐふふふふ。小娘、怖いか?だがもう少し儂につき合ってもらうぞ。儂の組織も
不況で経営が大変でな・・・。社員の怪人達もリストラをしたがまだ厳しいんだ。
だからどうしても金が必要なんじゃよ。”ワルドックロボ2000”のローンもまだ
10年残ってるしな」

めぐみ
(うう・・。こんなやつマジカルメグに変身すればやっつけられるのに・・・。でもみんなの前で
変身したら正体がばれてパティに脳みそ溶かされちゃうし・・・)

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ペッパー
「くそっ、膠着状態か。時間だけが過ぎていく・・。何とかしないと」

ミミ
「逃走用の車と食料が到着しました。しかし・・・」

ペッパー
「わかっている。このままでは犯人を逃がすことはもちろん、人質を解放する機会も
失ってしまう。せめて人質の安全だけは確保したいところだが・・・」

スーツ
「ようするに犯人と人質を引き離せばいいんだな?」

ニャミ
「それはそうだけど、どうやってやれば・・・」

スーツ
「よし、俺に任せろ」

ペッパー
「どうする気だ?」

スーツ
「あー!あー!犯人に告ぐ!今、逃走用の車を用意した!」

ワルドック
「よし!ではそちらに行く。まずはお前ら全員武器を捨てろ!」

スーツ
「待て!その前にその女の子は解放してやれ!」

ワルドック
「アホかお前は!ここで人質を離すわけないだろう!」

スーツ
「どうしてもか?」

ワルドック
「あたりまえだ!」

スーツ
「やはりそうか・・・。このロリコン野郎!」

ワルドック
「な、なんだと!?」

スーツ
「そんな小さな女の子を人質にとるなんて怪しいと思っていたが、お前
その子を車に乗せた後、やらしい事する気だろう!」

ワルドック
「な、なにを訳のわからん事を・・!この小娘は儂の身の安全のためじゃ!」

スーツ
「嘘をつけ!わざわざそんな子供を人質にとったのはお前がロリコンだからだ!
みんな見ろ!あいつは真性のロリコンだ!」

ワルドック
「ち、ちがう!儂は!」

スーツ
「このロリコン!」

ワルドック
「や、やめろ!」

スーツ
「ロリコン野郎ーーーーッ!!」

ワルドック
「う、うわぁーーーーーーーーーーーー!!!・・儂から離れろ小娘!
儂はロリコンではない!」

めぐみ
「いやーーーーーーー!」

ミミ
「こっちよ!さあ、もう大丈夫。人質は無事保護しました!」

ペッパー
「・・・・」

ニャミ
「・・・・」

ワルドック
「はあはあ・・・。おのれ、なめた真似を・・。だが安心するのはまだ早い!
儂は度重なる人体改造で10メートル先のハエも撃ち落とせるのだ!
怪しい動きをしたらお前ら全員ハチの巣だ!!」

ペッパー
「なんだと?」

ワルドック
「ふふふ。信じられんか?よし、貴様!そこを動くなよ!」

ペッパー
「な?」

ズダダダダダダ!

ペッパー
「うぐ・・・・」

ニャミ
「ぺ、ペッパー!」

ペッパー
「お、俺の帽子が銃弾でボロボロに・・・・」

ワルドック
「ガハハハ!これで分かったか!今度はそのドテッ腹にぶち込んでやっても
いいんだぞ!」

ペッパー
「なんてことだ・・。これじゃせっかく人質を解放しても今この現場にいる全員が危ないぞ」

スーツ
「・・・こうなったら”あの手”を使うしかないか」

ニャミ
「あの手って?」

スーツ
「俺の趣味はボーリングでね。そこから思いついた作戦さ。といってもごく単純なものだがな」

ペッパー
「どんな作戦なんだ?」

スーツ
「・・・ここに爆弾がある。これを犯人のところまで転がしていく。そしてドカーン。ストライク!って寸法さ」

ペッパー
「転がすってお前・・・」

スーツ
「もちろんそのまま転がす訳ないだろう。”玉”になる役が必要なのさ。体に隠して犯人に近づく。
あとは隙をついて導火線に火をつけるだけだ」

ニャミ
「そんな事をしたら・・・。大体誰がやるの」

スーツ
「ボーリングは俺の十八番さ。ばっちりストライクを決めてやるよ」

ペッパー
「しかしスーツ・・」

スーツ
「俺の命1つでみんなが助かるなら安いものさ・・・。それに事件現場で殉職なんて刑事としては
幸せな死に方だと思わないかい?」

ニャミ
「ス、スーツ・・・」

スーツ
「おい!犯人!少女の代わりに俺が人質になってやる!だから周りのみんなを撃つのはやめろ!」

ワルドック
「貴様がか・・・?また何か企んでいるんじゃないのか?」

スーツ
「俺の拳銃はこの通り・・・・床に落とした。そら、両手も上げてやったぞ。何も持ってはいない」

ワルドック
「・・・・・・」

スーツ
「なんなら裸になってやろうか?俺の自慢の肉体美を見せてやろう」

ワルドック
「見たくないわい。そんなもの。・・いいだろう。逃走後も人質がいれば何かと便利だ。
ただし少しでもおかしな真似をしたらすぐに撃ち抜くぞ」

スーツ
「かまわないさ。じゃあ今からそっちに行くぞ」

ワルドック
「手を上げたままこいよ」

ペッパー
「スーツ・・・」

スーツ
「世話になったな。といっても1日だけだったがな」

ニャミ
「そんな・・・スーツ・・・」

スーツ
「・・あばよ」

ペッパー
「ス、スーツーーーーーー!!」



続く