「腹ぺこチャイニーズ」



レオくん
「はぁっはぁっ、参ったな。よりによってライブの日に
寝坊するなんて。スギくん、怒ってるだろうなぁ」

タタタタタタタッ

レオくん
「と、とにかく全速力で走ればギリギリ間に合うかも」

タタタタタッ・・ガツッ

レオくん
「うわっ!?」

ドテッ

レオくん
「いたたたた・・。な、何かにつまずいた?」

リンリン
「うーんうーん」

レオくん
「君は・・リンリンさん?」

リンリン
「・・あ、レオくん。ニーハオ」

レオくん
「どうしたの?こんな所に倒れていて」

リンリン
「あはは・・お腹空いちゃって・・。でもリンリン
お金持ってないから何も買えないアル」

レオくん
「そっか・・。困ったな。僕も少ししか持ってないし・・
そうだ!」

リンリン
「?」

レオくん
「この鞄貸してあげるよ。この中にチョコやアメなどのお菓子が
いっぱい入っているから。・・僕、ちょっと急いでるんだ。
鞄はあとで返してくれればいいから」

リンリン
「いいのアルか?レオくん、困らないアルか?」

レオくん
「うん、そっちの鞄にはライブに必要なものは入ってないから。
あ、じ、時間が・・それじゃまた後でね。リンリン」

リンリン
「シェイシェイ。レオくん」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スギくん
「・・それじゃ、今度楽しみにしてるよ」

レオくん
「・・・はい」

スギくん
「だってレオくんがいけないんだよ。遅刻するなんて。僕はずっと
待ってたんだから。パフェを驕ってくれるくらい、当然の
ペナルティでしょ」

レオくん
「・・・はい」

スギくん
「なんか嫌そうな顔してない?」

レオくん
「い、いや!そんな事ないよ。あははっ」

スギくん
「ふーん。まぁいいや。さて、何パフェを食べようかな。ふふっ。
ゆっくり考えておくよ。それじゃあね。レオくん」

レオくん
「うん。ばいばい」

ーーーーーーーーー

レオくん
「・・ふぅ、結局こうなるのか。・・まぁいいか。ライブのほうは
なんとか無事に終わらせたし。今日は早く帰ってもう寝よ」

リンリン
「レオくん。待ってたアル」

レオくん
「あ、リンリンさん。そっか、鞄返しにきたんだね」

リンリン
「おかげで助かったアル。感謝するアル」

レオくん
「はは、いいよ。・・・あれ?お菓子、減ってないみたい
だけど・・」

リンリン
「ちゃんとご馳走になったアルよ」

レオくん
「でも・・あ!?ケ、ケロちゃんがいない?ね、ねぇリンリンさん。
この鞄の中にケロちゃん・・小さな蛙が入ってなかった?」

リンリン
「美味しかったある♪」

レオくん
「え、え!?」

リンリン
「唐揚げにしたらとても香ばしくて美味だったアル♪レオくん、
どうもごちそうさまある♪」

レオくん
「うわー!!ケロちゃーんッ!!!」


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