beatmaniaIIDX sercret live (+帝都襲来)体験レポート 2003年9月13日〜14日

<序章

beatmaniaIIDX sercret live・・・それは、一般には販売されないライブチケットを、ゲームを3回プレーして
1回応募するという、何ともコナミらしい商魂たくましい企画である。そして、多くのゲーマー共がコナミの
手の平で踊らされ筐体に続々とコインを投入していった。

無論、俺もその内の一人である。しかし、やっとの事で応募資格を手に入れ、携帯サイトを通じて
応募してみるものの、結果として出てくる言葉はいつもハズレハズレハズレハズレハズレハズレハズレ

(中略)

ハズレハズレハズレハズレハズレハズ(以下略)である。いい加減、ゲーム筐体に蹴りを入れたくなって
きたが、マナーの良い紳士の俺にそんな野蛮な事はできない。でも代わり、この企画を考えたコナミ社員に
いつか蹴りを入れたいと思う。

<神降臨>

話は少し前にさかのぼる。時は2003年8月22日。ポップンライブ外伝の日である。俺はこの日、地元の
仲間と名古屋から大阪に向けて旅立った。時期的にシークレットライブの締め切りも近づいていたので、
前日も当然IIDXに散財していた。前日の内に溜まったポイントで応募しようとも考えたが、「明日はライブで
早起きするし、早起きは三文の得で縁起がいいから明日応募しよう」と思い直し、当日、清々しい朝陽を
浴びながら応募ボタンを押した。

ハズレ

清々しい朝陽が台無しである。これでは三文の得どころか、早起きの苦労が二束三文になってしまった
ではないか。快晴の天気とは逆に、心に暗雲が立ちこめてしまった俺は憮然としたまま名古屋駅に向かった。
駅でポップンライブに同行するGAN.さん尾崎陽子さんと合流し、近鉄に乗り込む。電車の中で先ほどの事を
GAN.さんに言ってみた。

俺「・・という訳で、また抽選にハズレてしまいましたよ」
GAN.さん「では私もポイントが溜まっているので応募してみましょう」

正直、俺はこの時、そうそう当たらないだろうと思い、既に思考は今日のポップンライブの事について考えていた。

GAN.「・・・当たりました」
俺「へ?」

正に寝耳に水と言った感じだった。携帯を見せてもらうと確かに

当たり!おめでとうございます!

の文字が。こ、これは・・・俺がずっと追い続けていた当選メッセージ。応募し続けていたものの、心のどこかで
夢物語だと思っていたシークレットライブの当選。よもや、こんな身近な人に当たりがくるとは。本当に
羨ましかった。しかも話を聞くと、応募したのはこれが3回目だと言う。俺なんて30回くらい応募し続けて
ハズレハズ(略)続きだったというのに。やはり日頃の行いが違うのだろうか。神様はちゃんと見ているんだね。

俺「良かったですね。楽しんできてください」
GAN.さん「しかし・・・自分は都合があって行けないんですよ。よかったら譲りますよ」

え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









       み


                こ


                        う

















臨!!

棚からぼた餅どころか、棚から満漢全席である。そんなもの棚に入らないような来もするが、とにかく
それくらい凄い出来事だった。このようないきさつで、俺はシークレットライブに行けることになった。
GAN.さんありがとう。

<出発>

ライブ会場は東京六本木のココなのだが(当時はシークレットライブ故に場所は秘密だったが、もう終了した
のでネタバレ)交通費は当然実費なので、俺が東京に行くときによく利用する夜行列車を青春18切符で
行こう・・・と思ったら、18切符の使用期限は9月10日までだった。仕方ないので新幹線で・・・と言いたい
ところだったが、予算の都合で夜行列車を通常の切符で行くことにした。新幹線だと約1万円かかるが、
夜行だとその半分で済む。IIDXで散財しすぎたお金を少しでも浮かせなければいけない。
こうして俺は12日夜に夜行列車に乗り込んだ。この列車を使う事でのデメリットは、尻が痛くなる、睡眠が
取りにくいという事だ。前者はまだ我慢できるとして、問題は後半だ。これは周囲の乗客によってけっこう決まる。
今まで何度か利用してきたが、時々電波な客がいるのだ。大声で叫んだり、猛烈ないびきをしていたり、
強烈な異臭を放っていたり、何故かやたらと話しかけてくる奴がいたり、ホモと思わしき奴がいたりetc...
だが、幸いにも今回は周囲に電波な客はいなかった。俺は安心して休みについた。

<到着>

早朝4時30分。品川に到着。本来なら東京まで行くべきだが、今回は渋谷に立ち寄るためにここで
山手線に乗り換えである。しかしここでちょっとした事件が発生。荷物をまとめて列車を降りようとした時、
何気なくズボンのポケットに手を入れると・・・

財布がない!!

何て事だ!電波な客はいなかったが、スリがいたのか?財布にはお金はもちろん、免許証、クレジットカード、
恥ずかしい柄のテレホンカード、各種音ゲーエントリーカードが・・・・。もしかして、隣に座っていた奴が盗んだ!?
慌てて座席に戻り、問いつめようとした時に、隣に座っていた人が床から何かを拾って俺に差し出した。
財布だった。
ああ、俺は何て奴だ・・・。こんないい人を疑っていたなんて。どうやら今回は、俺自身が電波な客だったらしい。

<渋谷へ>

渋谷に来た理由は、ここから溝の口へ行って、数日前にお亡くなりになったポプステを供養する事と、名古屋市内には
存在すらしないビートマニアIII FINALをやりに行くためである。駅を降りるとまだあたりは薄暗い。しかしハチ公前や
スクランブル交差点は、昼間の名古屋駅前と同じくらいの人がいる。うーむ、流石都会だ。さて、それでは
溝の口に・・・と思ったが、始発がまだ動いていない上に、ゲーセンの開店が10時頃なので今行っても店の前で
座り込むだけになる。これでは警察に話しかけられるか、段ボール生活の人に話しかけられるか、キムジョンイルの
国の人に話しかけられるかである。なので、東京に来る時によく利用しているマンガ喫茶で時間を潰すことにした。
24時間営業のマンガ喫茶は夜行列車同様、電波な客が時々いるが、ここは会員制なのもあってそういうのが
少なく、雰囲気も落ち着いているので贔屓にしている。ちなみにこの店は、PCゲームの貸し出しにさり気なく
エロゲーが数本混じっていたのだが、今回行ったときにはエロゲーだけがきれいさっぱり無くなっていた。まさか、
誰かが個室でエロゲーやりながら(削除)たり、周囲に荒い息が(削除)、個室の掃除が大変だったりといった
理由で無くなったとか?謎は深まるばかりだ。

<溝の口へ>

すっかり周囲が明るくなった頃に溝の口へ向かう。今まで、この地に来るときはポプステを踏める喜びで胸が
いっぱいだったが、今回は違うので何か寂しい。しかし、そんな俺の心の隙間はBM3が埋めてくれる。
駅周辺にはゲーセンがけっこうあるのだが、この辺りだけでBM3ファイナルが2台もあった。
名古屋に一台送ってほしいくらいである。溝の口市民はこの筐体のありがたさを知り、1日1プレーはして
ほしい。でもちょっと宗教っぽいのでやっぱりいいです。1プレー100円だったが、軽〜く1000円近く
つぎ込んだ。あれはいいものだ。ふと時計を見ると、もうすぐ正午が迫っていた。ライブ同行のToTさん
六本木で待ち合わせするために、俺はこの地を後にした。

<待ち合わせ>

ToTさんと待ち合わせをしているのはライブ会場から最寄りの駅である麻布十番というところだ。
俺は当日迷子にならないように、ちゃんと事前にネットで道順を調べておいた。麻布を「あざぶ」と読めなくて、
「あさ」「ぬの」と変換しながら苦労して調べた。気分はオールマッピングされた攻略本片手に、ダンジョンに潜る
RPGの勇者だ。さぁ、行くぞ。あさぬの十番へ。そして10数分後

迷った。

おかしい。ちゃんと調べてきたはずなのに。もう一度メモをよく見る。・・・・一枚の紙にあちこちメモしているから
自分で書いておきながら見にくい。そしてよく見ると路線を間違えたようだ。しかも乗り換えのホームでも
思い切り道に迷った。案内板の通りに向かったはずなのに乗換駅のホームが見あたらない。これでは
マッピングされたダンジョンに潜る勇者ではなくて、入る度に地形の変わる不思議のダンジョンに潜り込んだ
トルネコだ。散々歩き回って満腹度もゼロに近づいてきた頃、ToTさんからのメールが。

「もう目的地にたどり着きましたが。いつ頃来ますか?」

すいません。まだかかります。必死に乗り換え口を探す。この時俺は、幼稚園の頃、見知らぬ商店街で迷子
になった時の事を思い出していた。あの時は大泣きしていたが、今は泣かない。俺は成長した。その代わり、
あの時の涙と同量の汗が全身から吹き出ていた。

<到着>

やっとの事で乗り換え駅にたどり着き、麻布十番まで行くことができた。ここでToTさんと合流。
ふと周りをみると何かお祭りが行われていた。着物を着て踊る人、みこしを担ぐ人。

俺「これは一体何でしょう?」
ToTさん「きっとTAKAがやってくるので街全体で歓迎をしているのでしょう」

なるほど。TAKAもいつの間にやらこんな歓迎を受けるほど有名になっていたのか。IIDXライブの
歓迎の割には随分と和風ではあるが。とりあえずライブ会場に向かう。ハガキに書かれていた
地図によると最寄りの駅から徒歩2分だそうだ。

俺「それでは行きましょう」
ToTさん「行きましょう」

そして

迷った。

俺「徒歩2分なのに何で迷うのでしょう?」
ToT「わかりません」

しかし、もう少し歩くと、いかにも自分たちと同類の人々が集まっているところがあったので行ってみる。
ビンゴだ。やはりここが会場だ。既に膨大な列ができている。仕方なく最後尾まで行って列に加わる。
列の途中にお寺が建っていたが、この客層と見比べると随分ミスマッチだ。寺の住職はこの列を見て
どう思ったのだろう。

『ほぉ〜、今日は参拝客が随分と多いのぅ。こりゃあ、今日の賽銭箱の中身が楽しみじゃわい。ウッシッシ』

なんて思っていたらあまりにも気の毒である。

<開場>

いよいよ開場の15時である。

俺「いよいよですね」
ToTさん「いよいよです」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

列が動かない。

どうやら開場が遅れているらしい。

俺「何で遅れているんでしょう?」
ToTさん「きっとTAKAが顎の手入れに時間をかけているのでしょう」

そりゃあ、これだけの人数に公開する顎だから手入れに時間をかけるのもわかるが、やっぱり時間を
守ってほしいものである。そういえば、過去のポップンライブでも開場時間ちょうどに入れた試しがなかった。
守れないなら最初から予定の時間より30分くらい前の時間を書いておいてくれ。途中で会場のスタッフが
来たのでようやく入れるのかと思ったら

「会場内は飲み物を持ち込めませんので、ペッドボトル等お持ちの方は飲み干してこちらのゴミ袋に入れてください」

ガッデム。んな事いいから早く入れろ。周囲はペッドボトルの早飲み大会になるという、何とも異様な光景に。

<ようやく開場>

予定時刻より本当に30分ほど遅れてからようやく列が動き出した。会場に入るとスタッフが
盛んに呼びかけをしている。「開場が遅れて申し訳ありません」と言っているのかと思ったら
「只今こちらでIIDXのサントラを販売しております。三枚買われた方はこちらのオリジナル
カードを差し上げます」だった。果てしなく商魂たくましいコナミである。光の速さでその場を
過ぎて、地下にあるライブの舞台へと向かった。オールスタンディング状態だが、既に前列は
黒山のひとだかりだった。熱気がこもる。冷房なんて、9th styleのエフェクトボタン同様
意味を持たないものになっていた。ふと会場の淵を見ると飲み物の自動販売機があった。
これならいつでも喉を潤せるな・・・と思ったのもつかの間。値段を見るとミネラルウォーターが
なんと600円である。350mlの缶ビールは800円だった。果てしないくらいボッタクリだ。

TaQ登場>

トップバッターは坊主頭が眩しいTaQだ。登場するやいなや、TaQが俺たちに語りかけてきた。

TaQ「お前らクラブに来たことあるかー!?」

俺たちは即答だった。

「ないー!!」

TaQ「わかってるよ」

さすがTaQ。俺たちがどういう客層かよく分かっているらしい。そして俺たちを先導するかのように
激しく体を揺さぶりながらリズムを刻んでいくTaQ。あっという間に汗だくだ。早くも上半身裸に
なるTaQ。下半身まで裸にならなかったのは次回作のムービーで使うからだろうか。それならそれで
モザイクを入れればrottel-da-sunmemoriesを超えるムービーが作れそうなのだが、IIDXまでTHE FINAL  
なってしまっては元も個もないので上半身で正解なのかもしれない。そしてstoicの曲が流れると
あのムービーと同様の格好になるTaQ。にくいサービスだぜTaQ。座禅を組んで回ってくれたらもっと
最高だったが。やがて怒涛の展開が終わり、TaQがぼそりと言った。
「次のアーティストはSLAKE

<SLAKE登場>

次は5鍵盤の頃からビートマニアを支え続けてきたSLAKEだ。渋い楽曲をよく作るのでけっこう好きな
アーティストだったりする。しかし今回はライブなので、いきなりGAMBOLとか流してきたらどうしようと心配したが、
そんなものは無用だった。BREEDINGやMUSIC TO YOUR HEADといった楽曲、他にもまだ見ぬ新曲を披露
したりとTaQほど激しいアクションはしないものの、逆にもっともDJらしいノリで熱くさせてくれた。途中で
机の中に潜ったかと思うとMr.Tが現れて演奏を交代し、Tが潜ると再びSLAKEが出てくるといったお茶目な
パフォーマンスも見せてくれた。凄くバカっぽいよ。もちろん誉め言葉さ。

<DJ W>登場

続いてのアーティストは獅子座のWACことDJ Wだ。ポップンミュージック10になってからコインを入れると
子供の声で「We love pop'nmusic!」と言うようになったが、このWe loveの部分を使って、pop'nmusic!の部分は
「ビートマニア!」という図太い男の声に差し替えた「うぃーらぶ・・・・ビートマニア!」というイカした挨拶から
始まり、SPICA、Over the Clouds、murmur twins、Linus、moon_childといった楽曲を次々と披露。
Des-ROWがいないせいか、妙に開放的で生き生きとしていたように見えた。しかしバックで流れるムービーには
さっきのSLAKEで使われていたものがずっとそのまま流れており、WACがやっているのに、しきりに「SLAKE」の
文字が出ていたのがちょっと可哀想だった。そして次は、隠し球のアーティストの登場だった。

<AKIRA YAMAOKA登場>

き、きた!!来て欲しいとは思っていたが、本当に電波山岡が登場するとは。山岡は舞台に登場するなり
何かのスイッチを押した。

「アキラヤマオカ、アキラヤマオカヲ ヨロシクオネガイシマス」

こ、これはbitmaniaや荒山課長で使われた声・・・!

「アキラヤマオカアキラヤマオカアキ・・・」

確信した。やはり山岡は電波だった。演奏の中でライオン好きが流れた時は会場全体で「腹筋!背筋!」を
連呼。もはや会場にいるみんなが山岡の電波に冒されていた。これだけでもうライブに来た甲斐があった。
そう言えばライブ中、山岡自身はほとんど喋ってなかったような。一部の客から声をかけられてもほとんど
身振り手振りだったし。まさか、bitmaniaの声が山岡の地声ではあるまいな。

<good-cool登場>

ポップンライブではすっかりお馴染みのgood-coolだが、今回はすわひでおもいなく、IIDXのライブという事で
名前の通りcoolな印象で曲をこなしていった。never let you down
・Spin the disc、Come With Me、Spooky等・・・。途中で謎の男性ダンサーが踊っていたけど、あれ誰だっけ?
Your Bodyのムービーにいた人だっけか?なんかやたらと笑顔だったのが印象的だった。

<休憩>

ここで少し休憩タイムが入る。会場の熱気に包まれて喉はもうカラカラだ。ふと横のボッタクリ自販機を見ると
多くの人が600円の水を買っていた。やはり開場前のペッドボトル回収は仕組まれた罠だったのか・・・。

<NAOKI登場>

ポップンライブでは第三回目に初登場したNAOKIだが、IIDXでは古株ゆえ堂々と見参。途中で小坂りゆも
登場し、今まで色んな意味で暑かった会場の雰囲気が少し変わる。りゆが登場した瞬間、みんなの視線が
NAOKIの顔からりゆの胸に移行した・・・かどうかは分からないが、半数近くはおそらくそうだったと思われる。
そしてトリではR&Bの新曲を披露。感想としては、んんんんんんんんんnちょっと地味というか微妙だったけど、
ゲーセンでプレーしながら聴くとまた違った印象かもしれない。

<dj TAKA登場>
ライブの大トリを飾ったのは、もちろんdjTAKAだ。長い髪をばっさり切ってから印象がけっこう変わったが、しゃくれた
顎は健在だ。開口一番、TAKAは言った。

「IIDX好きな奴って、こんないい奴らばかりだったんだなー」

普段は凶悪譜面でプレイヤーを泣かせるTAKAだが、今回は自分がプレイヤーに泣かされたらしい。意味は全然違うが。
そして、その感動をひきずったまま演奏開始。Tomorrow Perfume、Colors、e-motion2003、そしてRainbow Flyerの
ボーカルバージョン(のりあ付き)などライブならでは展開に。更にはTAKAまでも新曲発表。Pandora というタイトルだそうで、
一瞬Paranoiaかと思ってしまったが、あっちとは180度違うしっとり系なので、ゲームになった時の難易度もしっとりで
あると願いたい。間違っても、もの凄い難易度で頬がしっとり濡れるような事だけにはならないでほしい。
やがてTAKAの演奏も終わり、約3時間にわたって繰り広げられたシークレットライブも終わりを告げた・・・・かに見えた。

<アンコール>
TAKAが去ってから会場全体で溢れんばかりの声が沸き起こった。
「アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコ」
正直、俺はこの時点でかなり疲れていたので、一刻も早く座りたい気持ちでどちらかというとuncall気分だったのだが、
一人だけノリが悪くては、ライブ応募したけど当選できなかった人達に申し訳ないので、ヤケクソで1曲から穴Aを選ぶような
気持ちで叫んだ。
「アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!ア」

そして・・・・

ポップンライブでは第一回目の新堂アンコール以外全て叶わなかったアンコールだが、シークレットライブでは応えてくれた。
TaQ、SLAKE、wac、AKIRAYAMAOKA、good-cool、NAOKI、TAKA、新曲を披露したボーカルの人、名も知らぬバックダンサーの
人達。アンコールで何の曲を披露したかは忘れてしまったが、何の曲をやるかは大した問題ではない。アンコールに応えて
みんなが出てきたことに意義があるのだろう。俺も少し感動してしまったぜ。さっきまでの疲れも(一時的に)忘れ、
アーティスト達に手を振った。最前列の方ではほとんど握手会になっており、最前列に行けなかったことがちょっと悔やまれた。
俺が最前列にいたら、TAKAの差し出した手をすり抜けて顎を握ったのに。そして、本当にシークレットライブは終わりを告げる。

「みんな、またやろうなー!」

TAKAが叫ぶ。ああ、またやろう。最高のライブだったよ。

「また当てろよー!」

次も抽選かよ。

<ライブ終了。そして新小岩へ>

ライブの感動も冷めぬまま、ToTさんと共に新小岩へ向かう。東京のポッパーで、自作のアケコンを作ってしまうミミ好きの
よっしーさんと、情報系サイトを運営し、ネット内でその名を知らぬポッパーはいないと言われるニャミ好きのこすびさん
会うためだ。お二人ともポップンを初期の頃からプレーしている古株で、昔から俺が東京に行くときはよくお世話になって
いたが、今回もライブで上京するという事で、会う約束をしてくれた。新小岩駅でよっしーさんが出迎えてくれて、一路
ゲーセンへ。こすびさんも既にポップンをやっていた。あれ?マイキャラがニャミじゃなくて若葉になってる・・・。
ここで、何とポプ10から販売されたオレンジ色の筐体を発見。カード内蔵型の青色筐体もかなり珍しいのに、その
後継機であるオレンジ色筐体を見かけるとは。まるでPCエンジンスーパーグラフィックスくらいのレアものではないかと。
(PCエンジン知らない若者には申し訳ない)
こすびさんと挨拶してみんなが軽くポップン。そしてこすびさん秘蔵の、ヒストリーコースに隠し譜面が満載されたカードを
使わせてくれるとの事でウキウキウォッチング気分でやらせてもらうが3曲目のパワーフォークHで儚く散る。

<メシる>

みんな腹減りなので、とりあえず近くの居酒屋へ移動する事になった。そして店を出ようとすると何やら入り口に
人だかりが・・・。ここには太鼓の達人が置いてあるのだが、そこでは何と見た目おっさん青年の方が太鼓をプレーしていた。
あや、只のプレーならこんなにギャラリーは付かない。よく見ると何と両手にばちを持ち、二人プレーを一人でやっている。
こ、これはダブルプレーというやつか。何だかポプステの二人用10パネを一人でやってしまう光景を思い出してしまった。
しかもこのおっ・・・青年、やたらと上手い。譜面が怒濤のように流れてくるのにコンボが途切れない。左右の手が全く
同じ動きをしている。あれはもう神だ。昔から東京は芸人プレイヤーが多いと思っていたが、太鼓でも見られるとは。
いやはや、良いものを見た。その感動を胸にしまい込んだまま、居酒屋へ。ライブですっかり体力消耗してしまったが、
ここで随分回復する事ができた。よくRPGかなんかで、剣で斬られて瀕死の勇者が食べ物食っただけで体力回復する事に
納得がいかない事がよくあったが、肉体的な疲れに食べ物は本当に良い回復材料になる。とてもここでは言えないような
ネタで話し合いながらとにかく飲み食いし、そろそろさっきのゲーセンに上チャリさんが来ているらしいので、再び戻る事になった。

<再びゲーセン。そして宿泊>

ゲーセンに戻ると先ほどの太鼓ダブラーがいなくなっていたかわりに上チャリさんが来ていた。相変わらず片手プレーは
神業の域で感心するばかり。そしてみんな思い思いにポップンやIIDX等をやる。NSプレーを貫くよっしーさんや、
ナゾ色ポップ君のお邪魔に目覚めたこすびさん等。ギャラリーとして見ているだけで面白い。やがて時間が迫ってきて
ToTさんが夜行列車で帰る時間に。駅まで見送りに行くが、その前にもう一件別のゲーセンに入る。そこでToTさんが
ポプ10の隠し曲、テレフォンショッピングを出現。さすが名古屋の神。リザルト調整させるのも造作もないといった感じだ。
ToTさんを見送った後はまたもやゲーセンに戻りポプりまくりだったが、営業時間も終わりに近づいてきたので、ここで
こすびさんと上チャリさんと別れ、よっしーさんの家に泊めてもらう事になった俺は、タクシーでよっしーさんと共に彼の家へ。
よっしーさんの家に泊めてもらうのはこれで二度目だが、マンションににもかかわらず広い部屋で何とも羨ましい限り。
よっしーさんの家では待望の真ポプコンを触らせてもらったり、プレステ2でソニー会心の名作と言われるICOを見せて
もらったり、仮面ライダーやゴレンジャーシリーズの最新作を初めて観たり、よっしーさんお手製のチキンカレー(ちゃんと
肉は入っていた)を食べさせてもらったりと、あっという間に時間が過ぎていった。

<一夜明けて14日>

14日の朝、よっしーさんに別れを告げて家を後にした俺が向かった先はおたくの聖地AKIHABARA。ゲームマニア、アニメファン、
生粋のパソコンユーザー、値切り好きな関西人、エロいビデオやゲームが好きな人なら必ず来なければ行けないと言われている場所だ。
今日は午後から城崎レイさんと合流し、千葉県にある大慶園というドデカいゲーセンに行くことになっている。秋葉原に到着したのが
午前10時。城崎さんと待ち合わせをしているのが正午。二時間で秋葉を回るのはかなり無謀だが、俺は自分の足と目の赴くままに
探索を開始した。行った場所はゲームショップ(レゲー系)8割、ゲーセン1、5割、大人のビデオ屋系0、5割。最後のは
わざわざ秋葉に来てまで入るところじゃなかったとプチ後悔。結局、聖地において二時間というのはあまりに一瞬だった。
これが勉強や仕事での二時間ならあまりに長すぎる時間だったろうに。駅前近くの場所で城崎さんと合流し、彼の愛車である
スーパーマジカルメグ号(俺が勝手に命名)に乗って一路大慶園へ。

<大慶園>

小一時間ほどして大慶園に到着した。なんでもここには旧バージョンのポップンステージを始め、DDR5th、ビートマニア6th、
キーボードマニア3rd、クラッキンDJなどがあるらしい。しかもちょっと前にはギタージャムまであったらしい。

城崎さん「この大慶園の周囲は霊園なんですよ」

なるほど・・・。正にゲームの墓場というのに相応しい。中でも旧ポプステなんて(略)
それにしてもこのゲーセンは凄い。場所が山々に囲まれており、周りは霊園というだけでも凄いが、まずその店構え。
イメージとしてはデカい体育館が2つ建っていて、その中にゲーム機はもちろん、サーキット場まである。外には経営者の趣味
らしい外国の車がいたるところに置かれており、中央の広い場所には何故かヘリコプターの発着場まである。一見すれば
ここがゲーセンかと見間違うほどである。というか、言わなければ誰もゲーセンとは思わないだろう。やがて城崎さんに
連れられて店の奥に行くと、そこにあった。

ポップンステージ(無印版)

音楽ゲーム界の生きた化石と言われるポプステがここでは未だ現役稼働中だった。早速コインを投入。矢印型じゃない
小さいまん丸のポップ君。判定がなんかおかしいサンバやファンク。筐体のパネルにニャミミミを押さえて君臨している
ジュディとショルキー。ああ、ポプステだ。しかもexじゃないほうの。感動のあまり城崎さんと何度も回しプレイ。
後ろで待っている人は皆無なので回し放題だ。嬉しいはずなのに何かちょっと寂しかった。体力的に疲れてくると
今度はギタドラをやりに別館へ向かった。別館に行くにはさっきのヘリコプターの発着場の近くを通るのだが、
外に出るといつのまにかヘリコプターが降りていた。ここがゲーセンなのか少し不安になってきた。

<やがて日も暮れ始め>

ここのギタドラはオフラインでカードが使えないものの、なんと5曲3曲設定で難易度もイージーなので
またもややりまくりだった。こっちは若干並んでいるので回しプレイはできなかったが、ボナトラを3曲もやれば
腕が疲れてくるので、むしろ連続でやったら死ぬ。いくら周りが霊園だからってゲームで死ぬのは
ゲームセンターあらしに登場するキャラだけにしなくては。やがて城崎さんとセッションなどしていると
日も暮れ始め、池袋まで送ってくれる事になった。

<魔のジョージアマックスコーヒー>

池袋に行く途中。コンビニに寄った。城崎さんの話によると千葉県限定のジョージアコーヒー。その名も
マックスコーヒーなるものがあって、是非ともこれを飲んでいかなければいけないとの事。地域限定モノなら
ぜっかく千葉まできたんだから飲まない手はない。早速一本購入。見た目は250ogの普通の缶コーヒーだ。
何故か城崎さんがニヤニヤとしているが蓋を開けて一口飲む。

何    だ     こ     れ     は

激烈に甘い。むせるほど甘い。殺人的に甘い。コーヒーと言えば普通は少なからず苦い飲み物だ。
しかしこのマックスコーヒーはee'MALLのレストランに例えるとアマイ!アマイ!アマイ!
ギタドラのスイートイリュージョンに例えると、それはアマイアマイアマイアマイアマイアマイアマイ
ガンダムのランバ・ラル風に言うと「素人め。間合いが甘いわ!」だった。
俺が素人でした。素人は迂闊にこのコーヒーの名を騙った甘味飲料に手を出してはいけない。
MAXの名に相応しい飲み物だ。ふと、缶に付いていた原材料を見てみた。

                           練乳。


<モアイ>

先ほどのマックスコーヒー練乳ドリンクでふらふらになったが、車の運転は城崎さんなので何事もなく
池袋に到着した。城崎さんにお礼を言い、心の中ではマックスコーヒーでのお礼参りをいつかすると誓った。
彼とはここで別れ、俺は帰りの夜行列車を待つばかりとなったが、この時まだ20時。微妙に時間が
あるので、音ゲーの聖地、モアイへと行くことにした。モアイに着くと。あるわあるわ、これでもかという
くらいのポップンの筐体が。全てカードリーダー内臓の青筐体。それが5〜6台並んでいるのだから
圧巻だ。バージョンは全て10だったが、どうせなら1つくらいはポップン3があればよかったのに。
そうすれば幻の曲サマーも大人気だったに違いない。後日聞いた話によるとこの店、更にポップン台が
2台ほど増えたらしい。どうせなら1つくらいポップンステージを(略)

<旅の終わりに>

やがて程良い時間となり、俺はモアイを後にした。東京駅で夜行列車に乗り込む。帰りの電車でも
幸いにも電波な客には出くわさなかった。というか、乗り込んで早々に思いっきり爆睡してしまったので
いても気づかなかったかもしれない。こうして俺の激動の2日間は終わった。
ライブチケットを譲ってくれたGAN.さん、同行してくれたToTさん、現地で遊んでくれたこすびさん、上チャリさん、
家に泊めてくれたよっしーさん、千葉まで連れていってくれた城崎レイさんに感謝の意を表しつつ、
このレポを終了します。


レポ完成するのに丸々一ヶ月かかっってしまった。すんまそん。